2026 BRM222神奈川300km鎌倉 前編

#ブルベ · 6min

去年、知り合いがこのブルベを走っているのを見ていた。鎌倉発で伊豆半島をぐるっと回って帰ってくる300km。面白そうだなと思ってエントリーした。

スタートが0:00。夜通し走ることが前提のブルベである。 ちょっと大変かもとは思ったものの、逆にこの時間帯に走らないと鎌倉〜小田原、伊東あたりは車が多すぎて怖い。深夜スタートはむしろ好都合だと思っている。 それに南伊豆では桜が見られるらしい。楽しむ余裕があるかはわからないけど、ちょっと楽しみではある。

コースはほぼ同じ道を行って帰ってくるピストンコース。序盤50kmが平坦で、伊豆に入ってからはup and downしかないギザギザのプロファイル。気温は1〜20℃の予報。夜間の冷え込みが一番の敵になりそうだった。

いくまでが大変

沼津からだとスタート地点が遠い。新幹線駅からも外れているので鈍行での大移動になる。

沼津駅を出る電車に人が大量にいて輪行袋を載せるのが憚られた。とはいえ載せないと遅刻するので申し訳ないけど載せた。輪行袋を抱えたまま車内で小さくなるあの居心地の悪さは何度経験しても慣れない。

そこから1.5時間ほど、座れたり座れなかったりしながら大船駅まで移動に成功。ブルベの前にすでに一仕事終えた気分である。

荷物

サイクルウェアで電車に乗ってもいいのだが、流石に憚られるお年頃なので堅気の人に擬態できるように上下ともノースのウェアで固める。

あとビンディングシューズの硬いソールで1.5時間電車で立ちっぱなしはきつい。vivobarefootを履いて移動する。こういう細かいところで体力を温存するのがブルベの知恵というやつだ。

今回ドロップバッグが無いらしい。まぁいずれ1000kmブルベでも同じように荷物を全部担いで走ることになるのでその練習ということで、全部の荷物をサドルバッグに詰めて走ることを受け入れる。防寒着、補給食、着替え。サドルバッグがパンパンになった。

今日のブルベでは興津1000で長時間一緒に走ったさやまさ兄貴が出走しているらしい。新しいバイクで出走しているとのことで、200kmから順に距離を伸ばしているらしい。挨拶に行かねば。

スタート

スタート地点に到着。受付してバイクを組み立てる。漕ぎ出しの気温は5℃。吐く息が白い。

だいぶ早く着いたのでGoが切られたらすぐに行こうと思っていたのだが、ブリーフィングが終わった時に防寒着を脱いでいたらほぼ一番後ろになってしまった。ブルベあるあるである。

開始早々最後尾。しかしゆっくり走るのは嫌なので上げていく。SSTばかりやってたおかげで脚は踏める状態にある。ガンガン踏んでどんどん前に上がる。

ペースが早いのですぐに暑くなる。5℃の夜気の中を半袖ジャージで走るのは傍目に見たら正気を疑う光景だと思うが、踏み続けている限りは寒くない。ペースが維持できなくなったら着込むつもりだったけど全然落ちないのでそのままガンガン進んでいく。

先行しているさやまさ兄貴は間違いなく先頭にいるはずだ。兄貴を追いかけてガンガン進む。深夜の鎌倉、人っ子一人いない国道をヘッドライトの光だけを頼りに西へ。

小田原に着いたくらいでさやまさ兄貴に追いついた。先頭交代しつつPC1に到着。序盤50kmの平坦区間を想定より速いペースで消化した。

PC1 〜 PC2

サクッと補給して進む。

さやまさ兄貴と一旦離れて先発する。すでに50kmを消化してだいぶ脚を使ってしまった。平坦で上げすぎたのだ。この先は伊豆のup and downが待っている。登る分の脚を平坦で使ったと言っても過言ではない。

休憩後というのはいつでもペースが上がらないものである。加えてジャケットを着ている状態。なんかお腹に力が入らないのだ。体が「あ、休憩終わったんですか?」と言いたげな重さ。

ノロノロと進んでいたらさやまさ兄貴が後ろから到着。相変わらず早い。後ろにつかせてもらう。

上りに入ると兄貴の出力がえげつない。4倍以上出ている。速すぎる。僕が必死に食らいついている横で、兄貴は涼しい顔で踏んでいる。

しばらく一緒に走る。一緒に写真も撮る。ブルベ中にこうやって写真を撮る余裕があるのは一緒に走る人がいるからだ。一人だと停まること自体が億劫になる。

しかし彼の上りの速度についていけなくなったので先に行ってもらう。ここからはマイペース走法に変更だ。伊豆の山は一つ一つは大したことないのだが、それが延々と続く。登って下って登って下って。ギザギザのプロファイルが脚と心を削っていく。

PC2直前にこのコース一番の大きめの登りが待っている。ノロノロと攻略して到着。

PC2 〜 折り返し

PC2に着いたらすでに2人出たらしい。さやまさ兄貴ともう一人。

サクッと補給だけ購入したらすぐにPC2を出る。この先でさやまさ兄貴に追い抜かれることは承知の上だが、とにかく走り出すことが重要なのだ。 止まっている時間が長いほど体は冷え、脚は固まる。

すでにだいぶ寒い。気温は6℃らしい。気温だけならそこそこ暖かい気もするが湿った空気のせいか数字以上に体に刺さる寒さだ。指先の感覚が怪しくなってくる。絶対もっと寒いぞこれ。

スタートから数えて5時間程度走ったくらいで河津町に出る。が、何も見えない。真っ暗なので。

河津桜で有名な河津町。桜を楽しみにしていたのだが、深夜3時だか4時の河津町に桜を照らす光などあるわけもなく、ただ暗闇の中を通過しただけだった。帰りに見れるだろうか。

6時間ほどが経過した時に下田に到着。折り返しの南伊豆のコンビニまではもうちょっと。 上げすぎない感じで走っていく。不思議と脚は意外と残っている。40分おきにジェルを飲み続ける補給戦略が効いているのかもしれない。

日が登り始めた。太陽が出るとなぜか一段と冷え込む。夜明け前の冷え込みというやつだ。体感で1℃くらいまで下がった気がする。

そうこうしているうちに菜の花畑を抜けたところで南伊豆のコンビニに到着。前半戦終了である。

ここまで約150km、6時間。悪くないペースだ。しかし本当の戦いはここからだ。同じ道を帰らなければならない。あの伊豆のギザギザを、今度は疲れた脚で。

後編へ続く →